「春に読みたい絵本」
長く寒かった冬もようやく終わりを迎え、ぽかぽか心躍る陽気の季節になりました。進級や入学を前に、期待と不安が入り混じって子どもたちはきっとドキドキしているでしょう。学校に行くことを楽しみにしたり、一つお兄さんお姉さんになる進級の不安に寄り添えるような絵本を集めてみました。忙しい生活の合間に、ぜひお膝に座らせて、短くても親子の充実した触れ合いの時間を過ごしてみてくださいね。
0.1歳児 「あーんあん」 せな けいこ
保育園に行くのはいいけれど、お母さんが帰っちゃいやだとぼくが「あーん あーん」と泣きだすと、みんなも一緒に泣きだして……。「あーん」と泣いても大丈夫!と、初めて幼稚園や保育園に通う子どもたちの気持ちに寄り添うお話です。泣いて魚になってしまった子どもたちを、お母さんが網とバケツを持ってきてすくってくれるのが、何とも心優しくユーモアがあります。
2.3歳児「ようちえん いやや」 長谷川 義史
「ようちえんいくのいややー!」と、今日も誰かが泣いている。4月の新学期シーズンには誰もが目にする朝の光景。子どもなりに、「○○やからいややー」と色々理由は話しますが、その根底には「おかあさんと一日一緒ににいたい」という思いが隠れています。子どもの甘えたい気持ちを深く理解しながらも、「いやでもいい、頑張っておいで」と、子どもの成長を信じて大胆に送り出す応援歌のような1冊です。
4歳児「まめうしくんと こんにちは」 あきやま ただし
まめうしくんと一緒に声を出して元気いっぱい遊ぶ“おおきなこえで”シリーズです。「こんにちは」「ありがとう」「いただきます」などの挨拶を、まめうしくんが色々な表情で言います。最初は、元気よく、ちょっと恥ずかしそうに、すごく怒りながら……!子どもと一緒に声を出しながら読む楽しい絵本。まめうしくんのように表情豊かな挨拶があれば、不安なんか吹っ飛んで、新学期も明るく始められると思います。
5歳児「みんながおしえてくれました」 五味 太郎
「おにに みつからない かくれかたは うさぎがおしえてくれました」「つちのなかの ひみつは ありが おしえてくれました」子どもは、いろんな事柄から教えてもらって素直に学ぶのが上手です。「観察力」と「好奇心」が、子どもを育てていくのですね。学校へ行って、またその世界が一段階広がる子どもたち。たくさんの先生や友だち、環境から色々なことを吸収して、健やかに成長してくれることを願っています。